2017年11月25日

不動産投資ブームの終焉の足音


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 不動産投資ブームが続いていましたが、金融庁も少しずつ銀行に圧力をかけ始めて(2017年4月1日の記事http://marumoriooya.seesaa.net/article/448644427.html)いる雰囲気ありありな状況で、雑誌や新聞でも不動産投資の危険性を警告する特集や記事がみられてきています。

↓ 平成29年6月24日号 ダイヤモンド
2017.6.24ダイヤモンド.jpg

↓ 平成29年7月11日 読売新聞
2017.7.11読売新聞.jpg

 ちょっと前に〇町でもサンタメ業者と共謀して、金融資産を大きく見せたり、一物件一法人スキームをつかったりして融資を引く、詐欺に近そうなかなり危険な方法について動画で公開していましたね。

【二重契約】

【金融資産増殖】

【1法人1物件スキーム】


 〇町さんがこれを出してきたのはちょっと驚きでしたが....。

 動画では本来資産があまりない人が自己の金融資産を表向きかなり膨らませ(当座貸越を利用、通帳偽造etc)、実際の購入したの価格より高い価格で銀行用に作った契約書をつくって融資を申請し(本来の契約書と銀行用に作成した契約書を別に作成)、物件ごとに法人をつくって、融資総額を銀行にわからなくして融資をどんどん引いて物件をふやしていくという、かなりグレーな方法について語られています。

 かなり危険な方法ですが、この方法に手を染めた人達は結構いるようです。急激に資産(借金?)を膨張させ、いわゆるメガ大家といわれる人達はこの方法で物件を買い進めています。(不動産投資ブーム参照)

 通称サンタメ業者といわれる業者さんの手口なんですけど....。三為ってわかりますか?

 本来の不動産仲介は売主の仲介と買主の仲介がいて売主仲介はできるだけ売主のために高く物件を売ろうとして買主仲介は買主のためにできるだけ安く、購入後にトラブルがないように交渉を進め、うまく落としどころを決めていきます。契約が成立して決済が無事に終わればそれぞれ物件の価格の3%を報酬としてもらえるわけです。(3000万の物件だと買主側仲介3% 90万円、売主仲介3% 90万円が仲介料になります。)

 売主と買主を自分で見つけて仲介できればいわゆる両手といって6%もらえます。(3000万円の物件だと180万もらえるというわけですね。)仲介さんにとってみれば売却依頼をうけて売主仲介になった場合、うまくいけば倍額もらえるので、まず自分で顧客をみつけて両手仲介を目論みます。それで無理そうだとなったときに情報を公開し、接触してきた買主仲介と交渉を目論むという段階をふんでいきます。

 なのでよさそうな物件をみつけたら元請業者に直接連絡して交渉するとちょっと有利になることがある(これは狼ブログでもかかれていることですので詳細は狼さんのブログを読んでください。)わけです。(3000万で3%もらっても手数料は90万ですが、500万指して2500万で両手契約できれば仲介料150万もらえる。)

 三為業者はもっとえぐいことをやります。

 彼らはいわゆる不動産の転売業者で「第三者の為にする契約」をする業者ということで三為(サンタメ)業者といわれています。

 もともと中間省略登記といって、AからCが物件を購入した場合、物件の登記はA→Cになるわけですが、中間省略登記の場合はA→業者B→Cという形になります。つまりAから業者Bが物件を購入し、この物件を業者BがCに売ったという形です。本来であれば、AからBに登記を移し、その上でBからCに登記を移さなくてはいけないのですが、中間省略売買はこの中間を省略出来る売買なので売買時の登記がありません。

 例えば売主希望価格が3000万の物件に対して6000万(これは6000万でもお得ですと騙されている客と考えてください。)の買主希望者がいたとします。

 まず3000万で業者が買い取ります(ここでA→B間売買、売主仲介手数料90万ゲット)この物件を6000万で売却します。(差益の3000万ゲット)売却契約します。(B→C間売買、買主手数料180万ゲット)

 あれ不思議。3000万で両手でも180万しか仲介料がとれないはずなのに、業者さんは3270万ゲットしました。

 売主さんは希望価格で売れて幸せ、銀行も貸出が増えて幸せ、仲介業者はホクホク、買主もフルローンで手持ちの資金がないのに物件をゲットできて幸せ、みんなハッピー。(まあ、採算とれない物件を掴まされて借金背負わされたことに買主が気づいていないだけなんですけど.....。)

 この中間省略、実際の物権変動が登記簿に反映されないのは問題ということで、平成16年の不動産登記法の改正によりできなくなったのですが、不動産業界の政治力もあって平成19年の宅建業法の改正で不動産に関しては他人物売買が可能となり、不動産登記法に対応した「第三者のためにする契約」方式という形で復活しました。(俗にいう「新中間省略売買」です。)

 このスキームの業者と組んで融資を積極的に行っていたのがいわゆるSOS銀行(〇ルガ、〇〇〇クス、S〇〇)なんですが、この不動産投資ブームにのって素人の人々が興味をもち1億の物件を1億5000万まで融資をふかされて買わされたりしているというのがここ数年の流れです。

 1年間の家賃保証など(その家賃保証のお金も業者が中間省略で抜いたあなたが融資をうけた金の一部なんですけど....。)の甘い言葉に騙されて、買わされてしまった買主さん.....。業者に言われるままに金融資産をごまかしたり、2重契約の書類をつくっていたことを知っていたら共犯者ですから自分ではどうしようもなくなります。

 これらの人たちはそう遠くない将来破綻していくんでしょうね....。

 銀行もここら辺のあぶなさがわかってきているので三為業者さんの中には銀行によっては出入り禁になっているところもありますし、一物件、一法人スキームで多数法人つくっているのがばれて貸剥がしにあっている方もでてきて、すこしずつ投げ売りの任売も増えてきているようです。

 かつての成功を語っていたカリスマ(自称?)もセミナーや大家塾など開いて小銭を稼いでしのごうとしている人もいるようですし....。

 まるもりの勝手なエッセイでも繰り返し言っていますが、少なくとも今は借金をしてまで不動産投資をおこなうべき時期ではありません。数年の内に投げ売りが始まります。その時に向けてしっかりキャッシュを温存しておくのがいいのではないかと思います。(狼さんも言っていますけど、投資は不動産だけではないですから.....。休むも相場です。)
 

 

 



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posted by まるもり at 21:20
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