2015年06月29日

首都圏の空室率



 日曜日に仲介さんまわりをして色々話を聞いてきたのでちょっと思ったことを.....。


 現在、銀行の融資がじゃぶじゃぶで、物件の価値ではなく、借主の属性でアパートローンが通ってしまうご時世に団塊世代の相続税対策という名目での不動産投資参入で不動産投資ブームともいえる状態になっており、急激に物件の価格が上がってきています。


 ちょっと前につかんだババ物件の放出で破綻しかけた人が売り逃げて助かっている話もちらちら聞きますが、今、高値で物件つかんでしまった人はもっと過酷な状況になってしまうのかもしれません。


 30年借り上げの罠は勝手なエッセイの一節でも書きましたが、こんな高値の時に買ってしまうと、10年後、15年後まで生き残れるかもわかりません。名目の利回りなんて、売るときにどうにでも数字はつくれてしまうので....。実際にその利回りでまわることはないでしょう。


 様々な修繕費や、敷地内の除草、清掃費用、固定資産税、住人の入れ替わりの際の清掃、リフォーム代、気の遠くなるほどの様々な経費がかかります。また家賃で名目の収入が増えると育児をしている人の様々な減免が打ち切られ、いきなり所得税が上がります。

  各所得階級の所得税の税率です。

195万円以下            5%
195万円を超え 330万円以下  10%
330万円を超え 695万円以下  20%
695万円を超え 900万円以下  23%
900万円を超え 1,800万円以下  33%
1,800万円超            40%

 所得税って全体の8割を年収1000万以上の人が収めているって知っています?
   (全体の10%の人が80%もの税金をおさめているんです。)

shotokuzei.jpg

http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/shinkokuhyohon2010/pdf/gaiyo.pdf(国税庁資料です。)

 年収が600万以下の方はむしろ多分、税金をおさめるより処々の補助金をもらって恩恵をうけている方が多いはずです。


 ちなみにまるもりは幸運もあって、そこそこの所得をいただき、33%おさめていました。33%ということは、1年のうちの4か月はただ働きしていることになります。実は地方税がこれにくわわります。


 もし年収500万前後の人がいきなり家賃で、ローンがあるのに、所得の額面1500万になってしまったら.....。3年目からいきなり税金が跳ね上がります。ここまでキャッシュフローがそれなりにあっても持ち出しがでてきてしまうのではないでしょうか.....。


 今の高値で、○ルガなどで借りてしまうと3,4年後くらいから首がしまってくる感じになるのではないでしょうか.....。


東京都16.5%
神奈川県19.25%
埼玉県22.44%
千葉県25.84%
栃木県32.01%
群馬県32.58%

 これ2010年の首都圏の賃貸の空室率です。今はもっと悪くなっているのではないでしょうか。


 北関東はかなり悪いです。Minitec(Miniminiさんの管理部門)さんでは首都圏では前橋、八王子、宇都宮が主要都市で空室率高いワースト3になるそうです。埼玉までは東京のベットタウンとしての機能もあり需要がありますが、北関東の中枢都市は都市機能がコンパクトにできているので単身独立しなくても実家から職場に通えたり、一軒家もそこそこの値段で買えるので賃貸需要が急激に落ちてきている上に○東建託さんや○ンチュ○ーさんが地主さんをそそのかして新築アパートがどんどん建っていて需給バランスが崩れてしまっているようです。


 八王子は大学の撤退で、学生を見込んで建てられていたアパートが軒並み全滅状態になっているようです。少子化で大学もつぶれる時代ですし、今は地方にいっていた大学も学生獲得のために首都回帰の動きがあり八王子はそのあおりをもろにくらったという話です。


 今後、人口減がすすんでいく中で賃貸経営を考えるのは非常に大変なことであるということが感覚的にわかりますでしょうか.....。空室率は今後も上昇をつづけるでしょう....。


 ある仲介の店長さんは言っていました。


「自分がこの仕事についたときは部屋を貸してくださいって礼金を払うのが当たり前だった。今はあまりにも需給バランスが崩れてしまって、家賃は下げますからなんとか入ってくださいと大家がお願いする時代になった。昔では考えられない。」


 まるもりは不動産投資をやめた方がいいというつもりはありません。実際に厳しい環境下でも勝ち抜いている大家さんも大勢いらっしゃいます。もちろん機会や運があったということもあるでしょうが、やはり基本みなさん努力されています。やるとするならそれなりに覚悟をして望まないと厳しいだろうと思います。かつてのまるもりのように相手を信頼しきっていいなりになればどうなっていくかは明らかです。


 目の前でおいしい話をする相手は10年後、20年後にあなたがどうなっているかなんて知ったことじゃないってことをわかっておかないといけないということです。その相手が10年後もその会社にいる保証はないし(実際、不動産仲介の人って入れ替わりはげしいんですよ。)その相手の会社が10年後存在してるかだってわからないんです。


 気が付かない間に大事な家族のための資金をどぶに捨て、人生を狂わせる巨額の借金を背負わされることだけはないようにしてもらえればと思います。


 まるもりは、物件がまた暴落してくる日がくるだろうと購入資金を貯蓄中です。これから不動産投資を検討中の皆様も決して物件を買い急がないでほしいと思っています。


 小生のブログを読んで下さっている皆様が末永く幸せでいられますように!!


 最後に2012年1月の日経の記事を引用しておきます。


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「不動産と心中するつもりだろうか?」

 不動産投資はからくりに満ちている。儲かるように見せかけることができるので、騙される人が後を絶たない。例えば、不動産投資のキャッシュフローは、誰でも初年度が最も儲かる。しかし、いずれマイナスになり、ローン返済に困るようになる。売りたくてもローン元本を上回らなければ売れない。そうなってからでは遅い。儲かっていないとは誰にも言えずに、時限爆弾が時を刻み始める。

 しかし、この世界は騙される方が悪い。なぜなら、不動産投資はいつ終わるか分からない「ババ抜き」をやっているようなものだからだ。高く売り抜けたら、このゲームを終えることができる。最後にババを手元に残した人が大損して、最悪は自己破産することになる。相当な数の人が不動産投資をやっているので、これから自己破産者が続出することになる。そのXデーはいつ来るか分からないが、必ずやって来る。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20111228/225729/?rt=nocnt






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posted by まるもり at 23:27| Comment(0) | まるもりの勝手なエッセイ | 更新情報をチェックする

2014年12月30日

サラリーマンも悪くないですよ(不動産投資に踏み込む前に)



 みなさん年の瀬もせまってきましたね。今年はどんな年だったでしょうか?


 まるもりのドタバタ奮闘記もようやく本題の経営というところに入ってきたところです。ここまで読んできていかがでしょうか?まあ、大家業をしっかりやっていらっしゃる方には馬鹿だな~。というエピソード満載だとおもいますが、全く不動産投資なんか経験していない方にはちょっと大変かもって思ってもらえると..。


 今、給料も頭打ちで先も見えない状況で副業でどうかなと思っていらっしゃる方や、相続税の問題でアパート経営でもなんて考えている方には是非、ちょっと考えてもらえればって考えています。


 業者さんは物件売り買いして仲介料とってなんぼなのでいいこといいますけど、20年後にあなたがどうなってるかなんて知ったことではないですから....。(大体、30年家賃保証って言ったって30年後にその会社がある保証もないし....。業者さんがもうかるシステムになっているわけで...。)


 まるもりは自己資金100%でやりましたからどうにかなりましたけど、これ借金の利息払いながらなんて考えただけでもおそろしいです。(当然まだまだ安泰なんて思ってませんよ。)


 1994年のつくば母子殺人事件の医師のN氏や巨人の投手のK.Mさんとか高収入の人でも不動産投資で失敗して借金かかえてえらいことになってしまうわけで.....。


 借金してやる不動産投資のこわいところは最初は儲かっているようにみえて、次第に首がしまってきて気が付いた時にはいっちもさっちもいかずに別収入から持ち出しになって、最後にはどうしても売れない屑不動産が残るという顛末になる可能性が高いということです。ババになる前にいかに売り抜けられるか....。


 だいたい不動産投資の融資の基準が給与収入になってるっておかしいでしょ。物件に融資するんじゃなくてあんたの給料からきっちり返してねってことなんですから....。(物件に融資できるならその人の給与所得なんて関係ないでしょ?)


 で、逆説的にいうと給与収入をもらえるっているのは非常にありがたいことなんですよ。定期収入が約束されているってことなんですから....。事業主っていうのはそうじゃないんです。


 いくら忙しくはたらこうが結果がでなければ収入は0ですから....。まるもりの1年目見てください。震災もありながら結構U市と往復しながら駆けずり回って数百万の赤字ですよ。(リンク先の記事の後半部分に1年目の決算について書いてあります。)


 下手すりゃマイナスになるのが事業ってものです。(これで借金してたら1年目で即死ですね。余裕資金でやっていたからなんとかなっただけで...。)


 融資の人が物件じゃなくてその人の収入を融資の基準にするのなら物件じゃなくてあなたの収入の信頼度が高いからお金を貸しているってことなんです。


 会社員ってたしかに拘束されている部分もありますけど守られている部分もあるんですよ。会社の看板があるからその信頼で仕事ができている部分もあるし、どうしても休まなくてはならない場合は代わりの人をたのむこともできます。


 我々の世代はわかりませんけど、年金も基礎年金にくわえて厚生年金ももらえます。失業保険もあるし、育児休暇や有休も保証されています。(まあ周りの目もあるので職場によってとれるとは限らないですけど法律上は保証されています。)


 これって自営業の人にくらべると非常に恵まれているんですよ。多分、会社の看板をはずして、個人で開業して元の給料分稼げる人ってあまりいないと思います。会社の名前で仕事させてもらえてるんだってこと忘れてはいけません。


 とりあえず、与えられた仕事をしっかりこなしていれば給料が入ってくるんです。これはすごいことなんですよ。特に我々、団塊Jr世代は一番人口が多くて激しい受験戦争の後に就職氷河期がきてって正社員でいることさえ大変な状況なんですから.....。ある意味一番いじめられた世代でもあります。


 不動産融資を引けるような人はたぶんそれなりの収入をお持ちの方だと思うので、もう少しの副収入をとかセミリタイヤなんて言葉にスケベ心をおこしておかしな方向にいかないでもらえればと思います。


 なんてことをだらだらと書きましたが、結局のところ投資は自己責任なので自分はしっかり勉強したし、多少の事は覚悟しているから大丈夫という方はしっかりやってもらえればとは思います。


 ただ、昨今の状況みると10年後、20年後どうなるかなんて説明なしに高収入の方に物件売りつけてしまえって風潮が強いようなので.....。あえて今の流れに逆らう感じでちょっと思うがままに書いてみました。


 まるもりは多分このまま物件拡大してもサラリーマンはやめないと思います。あっ、でも娘の結婚式が終わったら考えてもいいかも...。(娘に親の肩書で恥かかせたくないし、交際相手にうしろめたさを感じさせてもね....。)←40過ぎると肩書って結構気になってくるんですよ....。


 あっ、明日も本編は気が向いたら紅白の合間にもアップする予定ですけど、とりあえず皆様よいお年をお迎えください。




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posted by まるもり at 22:26| Comment(2) | まるもりの勝手なエッセイ | 更新情報をチェックする

2014年12月16日

不動産投資を借金してまで行うのって....。



 今日は早く帰ってきて娘たちと、病院回って次女の看護で参った奥さんを寝かせて少し時間ができたのでまたまるもりの勝手な独り言を.....。


 まずまるもりが不動産投資を実際にやってみて感じた実感を述べさせていただきます。


 まるもりは自己紹介のところにも書いたように、障害のある次女のため、我々夫婦が死んだ後に長女がその負担にこまらないように、いずれ法人をたててそこから生活に困らないくらいの給料をだしてあげられるようなシステムを20年かけてつくっていくという目標をたててこつこつと現金主義でやっています。


 それでも実際にやってみて感じたことは賃貸市場は予想以上に厳しいということです。不景気と収入の低下で家賃相場は下がる一方。10年後、20年後がどうなるかなど予想もつきません。借金があるわけではないのでその分は気楽ではあります。現在木造2棟で月30万以上のキャッシュフローがでていますが、これだってどうなるかわかりません。


 それに不動産投資の最終収支は物件を売却したときに決まるんです。


(投資した金額)>(大なり)・・・ 最初に出したお金
(持っていたときに入った家賃)・・途中で入ったお金
 -(持っていたときにかかった経費)・途中で出たお金
 +(売却した金額)      ・・・最後に入ったお金


だったなら、数十年持っていて一時的に月100万入ろうが1000万入ろうが、結局損したことになるんです。
 (何もしなかった方がお金残ってたじゃん!!)


 利益が上がっているように見えるのは自分が投資したお金が分割でもどってきているにすぎません。



 ここ昨今の不動産投資をあおる宣伝では融資をいかに勝ち取るか的なところに主眼がおかれているようにおもわれるのですが、不動産投資って、物件を手にいれればそれでおわりではなく、そこからが本当の経営のはずなんです。


 まるもりは2011年に不動産投資を始めて、ブログ上では1年3か月が経過していますが、この間に体験したことを当時の記録から包み隠さず淡々を綴っています。今までは1つの業者に依存し続けることの恐ろしさをまるもりの実感の中で書いてきました。これから自立していくわけなんですが、この後もつぎつぎにまるもりとアパートに困難がおそってきます。


 ここからの内容はアパート経営ってこんなことが起こり得るんだということをこれから投資をかんがえている方にわかってもらえればという思いで綴っていくつもりです。


 結局のところアパート経営ってそんなに楽なものではないよということはわかってほしいんです。


 もし、物件を買ってしまえば、なにもしなくてもそこからは定期収入がずっと入ってハッピーリタイアメントなんて考えているのならまるもりはやめておいたほうがいいよと言いたいです。


 まるもりの勝手なコラムの「マイホーム奴隷制度」のコラムの「マイホーム」を投資マンションや投資アパートに置き換えて読み直してください。


 物件を担保にとられながら、税金を取られ続ける。各業者から管理料だ、修繕費だと吸い取られる。


 ハッピーリタイヤメントという餌をぶら下げられて、気が付いたら銀行と業者に完全に型にはめられているなんてことにならないようにしてくださいといいたいです。


 不動産業界ってすごい厳しい業界だと思います。ディベロッパーやゼネコンの倒産は珍しくないですし、金融機関の融資姿勢でいくらでも物件価格が変動します。上場企業だって当たり前に倒産したりします。あの六〇木ヒルズのMビルだってバランスシートみたら結構な自転車操業だってことがわかります。


 借金をかかえたまま、いきなり金利が上がったら、なんらかの事故物件になってしまったら、震災で建物に損害がでてしまったら.....。あなたはそれを乗り越えられますか?


 1990年3月の総量規制からバブル崩壊して、不動産融資が絞られプレイヤーが大量虐殺されたのはたった20年前です。1995年には阪神大震災があり、1997年には北拓銀行、山一証券が消えた日本金融危機で、貸し渋り、貸剥がしが問題となりました。そして2007年のリーマンショック、そして2011年の東日本大震災です。


 たった24年でこれだけのことが起こっているんです。20年とか30年のローンなんか組んで本当に大丈夫ですか?(築15年のRCは20年後築35年のRCになります。借金無くなっても、これ売れますか?壊して更地にするのは何千万もかかりますよ....。住人簡単にでていかないし....。ババ化した物件かかえて立ち往生しませんか?)


 レバレッジという言葉に踊らされて、あなたのサラリーまで吸い取られてしまわないようにしてもらえればと思います。


 こんな駄文のブログに目を止めていただいた方で不動産投資をしようと考えている方にはひどい目に合ってほしくないので.....。


 だらだらと乱文失礼しました。引き続き本編の方もよろしくお願いします。





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posted by まるもり at 22:57| Comment(5) | まるもりの勝手なエッセイ | 更新情報をチェックする