日曜日に仲介さんまわりをして色々話を聞いてきたのでちょっと思ったことを.....。
現在、銀行の融資がじゃぶじゃぶで、物件の価値ではなく、借主の属性でアパートローンが通ってしまうご時世に団塊世代の相続税対策という名目での不動産投資参入で不動産投資ブームともいえる状態になっており、急激に物件の価格が上がってきています。
ちょっと前につかんだババ物件の放出で破綻しかけた人が売り逃げて助かっている話もちらちら聞きますが、今、高値で物件つかんでしまった人はもっと過酷な状況になってしまうのかもしれません。
30年借り上げの罠は勝手なエッセイの一節でも書きましたが、こんな高値の時に買ってしまうと、10年後、15年後まで生き残れるかもわかりません。名目の利回りなんて、売るときにどうにでも数字はつくれてしまうので....。実際にその利回りでまわることはないでしょう。
様々な修繕費や、敷地内の除草、清掃費用、固定資産税、住人の入れ替わりの際の清掃、リフォーム代、気の遠くなるほどの様々な経費がかかります。また家賃で名目の収入が増えると育児をしている人の様々な減免が打ち切られ、いきなり所得税が上がります。
各所得階級の所得税の税率です。
195万円以下 5%
195万円を超え 330万円以下 10%
330万円を超え 695万円以下 20%
695万円を超え 900万円以下 23%
900万円を超え 1,800万円以下 33%
1,800万円超 40%
所得税って全体の8割を年収1000万以上の人が収めているって知っています?
(全体の10%の人が80%もの税金をおさめているんです。)

http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/shinkokuhyohon2010/pdf/gaiyo.pdf(国税庁資料です。)
年収が600万以下の方はむしろ多分、税金をおさめるより処々の補助金をもらって恩恵をうけている方が多いはずです。
ちなみにまるもりは幸運もあって、そこそこの所得をいただき、33%おさめていました。33%ということは、1年のうちの4か月はただ働きしていることになります。実は地方税がこれにくわわります。
もし年収500万前後の人がいきなり家賃で、ローンがあるのに、所得の額面1500万になってしまったら.....。3年目からいきなり税金が跳ね上がります。ここまでキャッシュフローがそれなりにあっても持ち出しがでてきてしまうのではないでしょうか.....。
今の高値で、○ルガなどで借りてしまうと3,4年後くらいから首がしまってくる感じになるのではないでしょうか.....。
東京都16.5%
神奈川県19.25%
埼玉県22.44%
千葉県25.84%
栃木県32.01%
群馬県32.58%
これ2010年の首都圏の賃貸の空室率です。今はもっと悪くなっているのではないでしょうか。
北関東はかなり悪いです。Minitec(Miniminiさんの管理部門)さんでは首都圏では前橋、八王子、宇都宮が主要都市で空室率高いワースト3になるそうです。埼玉までは東京のベットタウンとしての機能もあり需要がありますが、北関東の中枢都市は都市機能がコンパクトにできているので単身独立しなくても実家から職場に通えたり、一軒家もそこそこの値段で買えるので賃貸需要が急激に落ちてきている上に○東建託さんや○ンチュ○ーさんが地主さんをそそのかして新築アパートがどんどん建っていて需給バランスが崩れてしまっているようです。
八王子は大学の撤退で、学生を見込んで建てられていたアパートが軒並み全滅状態になっているようです。少子化で大学もつぶれる時代ですし、今は地方にいっていた大学も学生獲得のために首都回帰の動きがあり八王子はそのあおりをもろにくらったという話です。
今後、人口減がすすんでいく中で賃貸経営を考えるのは非常に大変なことであるということが感覚的にわかりますでしょうか.....。空室率は今後も上昇をつづけるでしょう....。
ある仲介の店長さんは言っていました。
「自分がこの仕事についたときは部屋を貸してくださいって礼金を払うのが当たり前だった。今はあまりにも需給バランスが崩れてしまって、家賃は下げますからなんとか入ってくださいと大家がお願いする時代になった。昔では考えられない。」
まるもりは不動産投資をやめた方がいいというつもりはありません。実際に厳しい環境下でも勝ち抜いている大家さんも大勢いらっしゃいます。もちろん機会や運があったということもあるでしょうが、やはり基本みなさん努力されています。やるとするならそれなりに覚悟をして望まないと厳しいだろうと思います。かつてのまるもりのように相手を信頼しきっていいなりになればどうなっていくかは明らかです。
目の前でおいしい話をする相手は10年後、20年後にあなたがどうなっているかなんて知ったことじゃないってことをわかっておかないといけないということです。その相手が10年後もその会社にいる保証はないし(実際、不動産仲介の人って入れ替わりはげしいんですよ。)その相手の会社が10年後存在してるかだってわからないんです。
気が付かない間に大事な家族のための資金をどぶに捨て、人生を狂わせる巨額の借金を背負わされることだけはないようにしてもらえればと思います。
まるもりは、物件がまた暴落してくる日がくるだろうと購入資金を貯蓄中です。これから不動産投資を検討中の皆様も決して物件を買い急がないでほしいと思っています。
小生のブログを読んで下さっている皆様が末永く幸せでいられますように!!
最後に2012年1月の日経の記事を引用しておきます。
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「不動産と心中するつもりだろうか?」
不動産投資はからくりに満ちている。儲かるように見せかけることができるので、騙される人が後を絶たない。例えば、不動産投資のキャッシュフローは、誰でも初年度が最も儲かる。しかし、いずれマイナスになり、ローン返済に困るようになる。売りたくてもローン元本を上回らなければ売れない。そうなってからでは遅い。儲かっていないとは誰にも言えずに、時限爆弾が時を刻み始める。
しかし、この世界は騙される方が悪い。なぜなら、不動産投資はいつ終わるか分からない「ババ抜き」をやっているようなものだからだ。高く売り抜けたら、このゲームを終えることができる。最後にババを手元に残した人が大損して、最悪は自己破産することになる。相当な数の人が不動産投資をやっているので、これから自己破産者が続出することになる。そのXデーはいつ来るか分からないが、必ずやって来る。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20111228/225729/?rt=nocnt

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