かなり悲惨な平成23年の決算となりましたが、泣き言をいってもはじまりません。
まるもりは生活用の口座と事業用の口座を分けています。給料収入からそれなりに貯金はできているので、2つの口座の合計としては年間を通して現金は増えています。事業用の口座のお金が減ってくると生活用の口座から振り替えたり、現金をおろして事業用の財布に入れたりして事業主借としての持ち出しがあるということです。
個人的に破たんするわけではないですが、あれだけ駆け回って出費が増えただけでは何をやっているかわかりません。それに空室の期間が長引くと部屋も傷んでしまいます。一刻も早く入居者をいれることが急務と言えるでしょう。
「年明け、1月9日にまたU市にいって、Nさんといっしょに仲介業者まわってくるよ。」
平成23年も暮れようとしている大晦日にまるもりは奥さんにいいました。
「大丈夫?年明け、仕事の方もいそがしいんじゃないの?」
「でも今のままじゃ全然拉致が空かないしね。空いた部屋は傷んでしまうし、この2月~4月の繁忙期に入れられるだけ入れないともう1年望めそうもないしね。」
「一応、Nさんも営業をかけているんでしょう?」
「正直、Nさんはあまり当てにならないと思ってる。僕の見立てでは現地での営業はほとんどしていないのではないかと思ってる。僕自身もNさんを通じてでなく、直接仲介業者さんの話も聞いてみたいしね。」
「そう、あまり無理しないでよ。」
「大丈夫さ、それに一回、ひととおり挨拶できれば、自分で営業回れるようになると思うし、このままじゃどうしようもないしね。」
「はっきり言って、いまのところ経営はうまくいっているとは言えないでしょう?いままでも何回もU市にいってるけど......。本当になんとかなるのかしら.....。」
「まあ、どうしようもないと思ったら物件を捨て値で売り払って撤退するしかないとは思うけど....。でも縁あって手に入った物件だからできるだけはやってみたいんだ。」
「そう。でもあまり無理しないでね。」
「ああ、今年は震災もあって散々だったけど、ともかく来年はいい年にしないとね。」
まるもりはそう言って奥さんに微笑みました。
平成24年、新しい年がやってきます。この年も試練の年になることをまだまるもりは知りませんでした。