2014年05月16日

落札から物件明け渡し(16)



 暖房もテレビもお風呂もつかない寒い家の中で、子供たちを布団に寝かせ自分たちも横になりました。その間も余震が絶え間なくつづきます。まるで船の上で酔っているような感じです。なんとなくねむれない状態の中、午前3時ごろに電気が回復しました。寝室で子供たちが疲れ切って寝ているのを確認して、まるもりは奥さんと居間にいき、テレビをつけました。テレビは24時間体制で被害状況を報道しつづけていました。


 テレビではつぎつぎに津波で飲み込まれる、太平洋沿岸の町の画像が繰り返しながされていました。

 
 奥さんがいいました。

「こんなことになっていたんだ....。地震のあと完全に停電の状態で、テレビがつかなかったから何が起こっているのか全然わからなかったわ。さいわい、埼玉は海なし県だから津浪は大丈夫だけど....。」


 まるもりが答えました。「こんなことがあるんだね。一晩あけたら津浪で村がなくなっていたなんて昔の話と思っていたけど、こんな恐ろしいことがおこりえるんだ......。」


「もう、午後からスーパーでも物がなくなっていて、懐中電灯なんかどこも売り切れの状態だったわ。ちょっとこれはこれからどうなるかぜんぜんわからないわね.....。」


「そうだな......。」


「なんか、せっかく物件落札してよろこんでいたのに、いきなりこんなことになるなんて......。」


「まあ、もう今はそれどころじゃないよ。ともかく目先のことをなんとかしなくちゃね。とりあえず、明日も勤務日だから出勤はしないと。今日はこんな状況で申し訳ないけど、子供たちをたのむよ。」


 まるもりが奥さんにそういうと同時にまた大きな揺れが家をゆすりました。

posted by まるもり at 21:32| Comment(0) | アパート経営奮闘記 | 更新情報をチェックする
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