2014年05月15日

落札から物件明け渡し(15)



「もう地震からずっと停電状態なの。ガスもつかえないし、水道は使えるのが救いだけど。物置からろうそくだしてきてつけているの。」


「地震のときは大丈夫だったのか?」


「こっちもすごいゆれだったわ。(下の子の)スイミングスクールの時間で、外の観覧でみていたらプールが大波になって、先生方も子供を守るのに必死だったわ。揺れがおちついたらプールの水が揺れであふれて半分くらいの水位になっていたわ。」


「電話もメールも全然とどかない状態だね。ともかく君と子供たちが無事でよかった。」


「携帯は全然だめね。家にもどってきても電気、ガスがつかないし、水道が使えるのが救いね。トイレが使えるから.......。冷蔵庫の中のものも傷んでしまうのでそうそうあけられないし、多分冷凍品はダメかもしれないわね.....。ガスがつかえないので料理もできないし、テーブルのガスコンロでインスタントラーメンを子供たちに食べさせたわ。お風呂もつかえないし、暖房が全然だめだからこのまま子供たちは寝かせるつもりよ。」


「東北が津波でひどいことになっているけどそれよりはましってところかね。」


「電気が使えないとこんなに不便だとおもわなかったわ。交差点の信号も全部消えているから車で外にでるのもこわいし、電車は止まったまま。テレビがつかないから情報も全然わからないの。ラジオだけが情報源ね。その津波のこともよくわからないの。」


 停電中の自宅をまた余震と思われる揺れが断続的に襲います。停電は大変だが、すぐ回復するだろうし、混乱も次第におさまってくるだろうとこの時は思っていました。ですが、事態は皆さんも経験されたように東日本中が次第に混迷を深めていきます。


 落札した物件をどうこうするどころではなくなったまるもり。初めて物件を収得したとたんのこの試練を乗り越えられるのでしょうか......。

posted by まるもり at 20:42| Comment(0) | アパート経営奮闘記 | 更新情報をチェックする