2014年05月11日

落札から物件明け渡し(11)

 

 自宅に帰ってきて一息いれたまるもりに奥さんが声をかけます。


「お疲れ様。大丈夫だった?」


「なんとか、時間内に無事に役所回って、裁判所に書類だせたよ。ちょっとどきどきだったけどね。10万の収入印紙なんてそうそう扱わないし、でも無事に終わったからよかったよ。」


「でもこれからが大変じゃない。」


「まあ、Nさんに色々聞きながらやるさ。ここからのノウハウは教えてもらうしかないからね。」


「そう。うまくいくといいんだけど.....。」


「まあ、借金があるわけじゃないから。そんなに心配しなくても大丈夫だと思うよ.....。」


 まるもりは自分に言い聞かせるようにそう答えました。


 パソコンでメールを確認するとN女史からメールがとどいていました。


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 まるもり様

 手数料のご送金ありがとうございました。

 本日より落札の通知を開始いたします。

 またこちらも状況把握しましたら、都度ご連絡させていただきます。

 引き続きよろしくお願い申し上げます。

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「ふうん。送金の確認はしてくれたわけね。」まるもりはそうつぶやくと返信メールを打ち始めました。


 前のメールでこちらの行動予定を送ったのに税務署にいく必要はないことを教えてくれなかったのが引っ掛かったのですが

(本当にこちらのメール読んでくれているのかな?読んだなら、それは違います、裁判所に固定資産評価証明書もっていって計算してもらえればいいんですよって言ってくれよな!!)

    ↑ まるもりの心の叫び



下手に機嫌を損ねられて動いてもらえなくなってしまうのは困ります。


(あ、そうそう奥さんには税務署が無駄足だったことは内緒にしました。またなんか言われそうだし...。)


とりあえずぶつぶついいながら無難な文面を作成します。


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 N社
  N様

 送金の確認ありがとうございました。残金の振込みを行い、U市で登記のために必要な書類をそろえてから裁判所にいき執行係に提出しました。U市は湿った雪になっていました。10日ほどで権利書が送られてくるとのことでした。また書類とどきましたら連絡いたします。またそちらで進展ありましたらご連絡ください。今後もよろしくお願いいたします。

                   まるもり

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 ふうっ。これでここからしばらくはNさんにお任せってことでさすがに大丈夫なんだろう。
 さすがに62万の仕事はしてもらわないとね.....。

(まるもりの思いと別に今後、N女史は結構やらかしてくれるのですが......。それは乞うご期待。)



 

posted by まるもり at 21:20| Comment(0) | アパート経営奮闘記 | 更新情報をチェックする

仲介業者の方との会話

 

 まだ経営まで本編はいっておらず、1件目の物件の取得までしかすすんでいませんが、まがりなりにも4年目に入って少し経営も軌道にのってきたのでこんな話題もと書いてみます。(本編の方はまた夜に投稿しますね。)


 今年は消費税があがることもあって、引っ越し料金を増税前にということで1月位から物件が動き始めていました。3月の中ごろには動きが止まってきた印象でしたが、ちょっとお客さんがまばらになったこのゴールデンウィークに自分の物件の2室に客付けしてもらって、それぞれの部屋を決めていただいた業者さんにお礼回りをしてきました。


 そのついでに色々お話してきます。忙しい時期だとご迷惑なので、そうそうにご挨拶だけでさっさと退散してしまうのですが、時間がありそうなときはご迷惑にならない程度でお話させてもらいます。これが色々情報源になりますし、顔を覚えてもらうのは非常に大事です。


 いくらネットに載せてもらおうが、家賃を下げようが、最終的には営業さんに決めてもらって紹介いただかなければ入居者の確保はできません。またどんな事を改良すればお客を入れられるのかなどのアドバイスもいただけますし、色々なトラブルになった時に助けてもらうこともしばしばです。


 ここまでの本編の経過をみてきた読者の方はこの先のまるもりの大苦戦が予想できると思います。ぶっちゃけ最初の2年は悲惨な経過でした。今からかんがえれば目をそらしたくなるような失敗の数々ですが、それをつつみ隠さず今後も経過を綴っていくつもりです。


 でも、それを乗り越えられたのは地元の業者さん達の協力や教えをいただいたからだと思っています。それは時間をかけておいおいまた綴っていくつもりですが、大家業は決して不労所得なんかではありません。


 れっきとしたビジネスだと思います。賃貸人の方に安心してもらって住める環境を提供して、地元の業者さんにいくらかのお金や仕事を提供して、いくばくかの収入を得る。きちっとした事業者としての意識をもたないと中長期的に安定した経営をつづけていくというのは難しいと思います。


 もともとは障害のある娘の将来のためになんとかというところから始まった話なのですが(4月1日の自己紹介のところ参照)この3年ちょっとでだいぶまるもりも勉強させてもらったと思っています。いやいい仕事だと思います。不動産業。だって、衣食住の3大需要の住の部分を担っているんですよ。業界の方は誇りをもっていただければと畑違いの自分は考えています。


 という、駆け出し大家のたわごとは置いといて、業者さんとの会話。


「まるもりさんは、物件は2件ともキャッシュなんですね。」


「ええ。素人が手を出して簡単にうまくいく業種なんてありえないですから。借金してまでやるのは無謀だとおもうんですよ。10年後がどうなってるかなんてわからないですからね.....。」


「不動産はキャッシュが一番いいですよ。今、結構、借金して物件買おうという人が多くてね....。こちらからみるとやめた方がいいよって思うし、お話もするんだけど、レバレッジだなんだって、いうこと聞いてくれなくてね。東京の人たちが都心とくらべると利回りがいいって結構くるんだよね。」


「素人に近い自分でも、RC(鉄筋コンクリート)の億単位の物件を借金して買うなんて、よっぽどしっかり運営して回せる力がある人でないと自殺行為に近いと思いますけどね。


 維持費や税金が馬鹿にならないし、水漏れでも起こそうものなら数十万~数百万かかるっていうし、エレベーターついていたら管理費や、故障して付け替えともなれば数千万かかるって聞きますしね。」


「そうだよ。ちょっとしたエレベーターと付け替えるとなったら、まるもりさんのアパート1件買えちゃうぐらいかかるからね。しかもここのところの家賃の下落はすざましいよ。いくらまで下がるんだろうっていう感じ。表面利回りなんか出るわけないし、予想どおりの家賃入るわけないのにね。」


「地方はそうですね。結局 1K借りてた層も、若い人は独り立ちで借りる人は減ってきて実家から職場に通えばいいやって人増えてるから需要は落ちているみたいですね。」


「今年は1Kはあまり動かなかったから、まるもりさんの物件は結構健闘している方だと思うよ。東京の人は地方の実情知らないから、うまく言いくるめられて買わされちゃうんだろうね。で、またいくら家賃さげてもいいから満室にしてくれっていうお客も結構いてさ.....。」


「でも家賃下げると客層が厳しくなりますよね。」


「あんまりおおきな声じゃいえないんだけど、この物件なんか、1万9千円の家賃で募集かけてるけど、こんな家賃で出したら属性がうんっ?って人が結構きてさ。スウェットに金髪でいかにもっていうのがくるんだよね。


 賃貸なんて変な人が一人入ったら周りのまともな人が全部でてったりするじゃない。ぶっちゃけ大家さんに悪いから断るし、そんな人の相手の時間の無駄だからこの募集金額はやめた方がいいですよっていうんだけど、満室にしてくれればいいんだっていうんだよ。」


「満室にしたってそんな人じゃ滞納する危険が高いし、滞納されたまま居座られたら盗人に追い銭状態にしないとでていかなかったりすると損害の方が大きくなってしまうんじゃないんですか?(家賃滞納はすっごく大変です。世の中には家賃はらわないで平気で居直る人いるんです。これもまるもりの実体験を綴っていく予定ですので楽しみに。)」


「家賃滞納されたり、そのまま居座られたり、出ていったあとの部屋の修繕がえらいことになったりすることとか多分わかっていないんだと思うよ。まあ、実際やってみないとわからない事多いと思うよ。


 まあ、ぶっちゃけ莫大な仲介手数料稼ぎの業者さんと、銀行さんのいいカモにされているんだと思うけど。

 こっちも決済して契約が成立すればいくらか利益でるんだけど、やっぱり仕事ってお金だけじゃないじゃない。喜んでもらえるようになら力も入るけけど、どう考えても地獄への片道切符なんだよね。親切心でいってあげても聞いてくれないんだよね。まあ、決めちゃった人は何しても聞かないんだけどさ。」


 地元の真面目にやっている業者さんの言葉、結構ひびきませんか?


 借金はよほどの勝算がないと身の破滅につながる可能性ありますよ.....。


 ということで地元の業者さんとの雑談は非常にお勉強になるという話でした。

 本編の方もまた読んでくださいね。



 
posted by まるもり at 17:19| Comment(2) | まるもりの勝手なエッセイ | 更新情報をチェックする