U市の税務署をでると、まるもりは駐車場まで小走りに走っていきました。車に荷物を下ろして、運転席に座って一息つきました。時間は1時半を過ぎています。
「まいったなー。とんだ無駄足だったよ。でもとりあえず裁判所に向かわないと....。」
1時間以上は時間を無駄にした感じです。まるもりは裁判所のある町に向かって車を発車させました。小雪がちらついていましたが、幸いにもつもる感じではありません。
裁判所についたのは3時前でした。車をとめて、窓口に向かいます。執行官室のところで声をかけます。
「すいません。今回、競売物件を落札して、そのお金を収めて書類をそろえようとしているのですが、この物件の所在地のU市の市役所で物件の固定資産評価証明書はもらってきたので、登録免許税の計算をお願いしたいのですが....。」
「わかりました。ちょっとお待ちください。」係りの方が書類をみて計算してくれます。
「41万0600円ですね。この金額の収入印紙を購入してきてください。それと別に1050円の郵便切手が必要です。」
「ええとっ。この近くだとどこで購入すればいいですか?」
「裁判所を出た通りの先の左側に郵便局がありますのでそこで購入するのが一番いいですよ。ついでに必要な郵便切手も購入できますから....。」
「丁寧にありがとうございました。では購入してすぐもどってきます。」
裁判所を出るとまるもりは、立ち止まって深呼吸しました。所定額の収入印紙と郵便切手を購入すれば必要な書類は全部そろったことになるので、そのまま裁判所にもどって提出すれば今日やらなければならない仕事は終了です。5時までになんとかすべて終わらせる見込みがついたことにまるもりは少しほっとしたのでした。
背をのばすとまるもりは傘をさしながら、郵便局に歩いて向かいました。