整理券をもらって、自分の番号が呼ばれるのを待ちます。しばらくして自分の番号がよばれました。窓口にいき、裁判所への振込書と通帳、印鑑を出して窓口の担当の方にいいました。
「すいません、この競売の残金の振込みと、このN社の口座あての振込みをお願いしたいのです。それと別に口座から100万を下ろしたいのですが....。」要件を伝えると、「わかりました。それでは....。」と言って担当の方は説明を始めてくれました。
振り込み依頼書や出金依頼書など指示にしたがい記入していきます。必要なところに印鑑を押してと手続きをすすめていきます。金額が金額なのでびびり症のまるもりは周りが気になってしょうがないのですが、ついたてのある窓口に移らせてくれるわけでもなく、窓口の担当の人も淡々と手続きをすませていきます。
立ったまま一通りの手続きを終え、登録免許税(まるもりの見積もりは40~50万前後)がいくらになってもいいように現金100万円を受け取り、周りの目を気にしながら紙袋に札束を入れ、どきどきしながらバックにしまいました。手続きを終えると一言、「どうもありがとうございました。」と窓口担当の方に言って、足早に銀行を出ました。
銀行の口座の数字では見慣れていても100万の大金を持っていると不安で仕方ありません。まず無いのですが落としたり、無くしたり、盗まれたりしたらどうしようと余計な不安が湧いてきます。まるもりは車に乗ると「さっさと払うもの払って、手続きすませてしまわなきゃ。」とつぶやいてエンジンをかけました。
目指すは30㎞はなれたU市の市役所です。午前9時50分、空は朝なのにどんよりと暗く、しとしとと、雪まじりの冷たい雨が降っていました。