「うーん。そうともいえるかもしれないけど......。」
「だって、入札の期間も勘違いして、書類も用意してなくて....。本当に大丈夫なの?」
「まあ、ほかにも色々検案を抱えているのだろうから単なる勘違いなんだと思うんだよ。それに今回の手続きに関しては自分の個人情報の書類もあるし、結局自分で回った方が安心だと思うんだよね。(←ちょっととってつけたようですが....。)
まあ自分の勉強にもなるし、実際これからあれだけの遺残物の処理をどうするとか、賃貸人との契約をどうするとかのノウハウはこちらに全然ないわけだから。これからが本当に世話になるところだと思うから.....。それに今更、他の業者を頼むってわけにもいかないじゃないか。契約は交わしているわけだし......。」
「まあ、落札したわけでもう後戻りができないのは解りますけど.....。」
「まあ、いままで落札した物件の受け渡しとかでトラブルは一切ないと言い切っていたくらいだから、これから本領発揮してもらうことになると思うんだ。必要なリフォームのこともどうすればいいかわからないし....。」
「まあ、あなたがちゃんと納得していればいいのよ。でも、仕事だっていそがしいのに、結構出ずっぱりの状態だから、あなたの体も心配よ。」
「ありがとう。でも今回のことが一段落するまでだと思うから.....。」
「わかったわ。あなたならなんとかするとは思っているけどね。ちょっとどうなのかなとは思ったから....。」
「うん、わかってる。少なくとも今回の報酬の60万以上の仕事はしてもらうようにするから。」
「そうしてもらってください。28日は気を付けてね。」
「うん」
奥さんの疑問は一々ごもっともであったのですが、いまさら引き返せるわけでもなくまるもりは自分の中にある一抹の不安を打ち消して奥さんに返事をしました。
N女史のメール返信は翌日の2月26日にきました。